記事番号: 1-1023
公開日 2018年01月23日
更新日 2018年04月21日
平成30年1月12日(金)~14日(日)に、勝沼地域において山梨大学による、小正月行事の調査が行われました。
道祖神祭りのどんど焼きは、1年の厄除けと豊作を祈り、各家の門松や注連飾りを集めて、道祖神の前や広場などにオコヤ(小屋)、ヤグラ(櫓)を作り、1月14日に燃やす、全国各地で広く行われる風習です。
どんど焼きのオコヤは地域によって形や呼び名は様々ですが、勝沼地域も地区ごとで材料・形が異なり、独特な文化が受け継がれていることがわかりました。また、地域の方々から実際にオコヤの作り方や、小正月行事に関する昔話など教えていただきました。ご協力いただき、ありがとうございました。
現在、勝沼地域において「勝沼のブドウ畑とワイナリー群」の文化的景観の学術調査を山梨大学との共同研究として実施しています。全国に誇れる勝沼地域の景観を守り、次世代へつなげるべく取り組んでまいりますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願いをいたします。
■菱山8区のオコヤ ■勝沼5区のオコヤ
■東雲3区のオコヤ ■東雲13区のオコヤ
■勝沼1区のオコヤと1区の皆さま ■祝5区のお神輿と5区の皆さま
■勝沼6区と6区の皆さま
~「勝沼のブドウ畑とワイナリー群」の文化的景観とは~
文化的景観とは、人が地域の自然(地形や地質、気象条件など)と巧みに付き合いながら生活・生業を営むことで生まれた景観のことです。
甲州市勝沼地域のブドウ栽培の発祥については古刹・大善寺(本堂・国宝指定)を開創した僧行基に由来する説話があり、勝沼地域の歴史と深く関わってきました。江戸中期には山側の傾斜地などでの栽培でしたが、明治期以降に勝沼全域にひろがりました。近代化に伴いワイン産業が推奨され、明治10年(1877)には日本で初めての民間のワイン醸造会社が設立されています。
「甲州種」は日本最古のブドウの品種で、甲州種ワインは近年醸造家の努力により海外にも輸出され、高い評価を得ています。
江戸時代から続いてきたブドウ栽培は、明治期に誕生したワイン産業とともに発達し、勝沼地域にしかみられない文化的景観を育んできました。