記事番号: 1-1024
公開日 2019年01月18日
更新日 2019年04月24日
今年も市内各地で小正月行事が賑やかに行われました。民俗文化財の指定を受ける3つの行事の開催状況についてご紹介します。
■小正月行事「一之瀬高橋の春駒」
1月13日(日)に、重要文化財旧高野家住宅を会場に、「一之瀬高橋の春駒」(県指定無形民俗文化財が)行われました。
春駒は、塩山一之瀬高橋地区に伝承されてきた道祖神祭りの芸能で、駒と馬子(露払い)が一体となって舞われます。地区の過疎化により伝承活動がいったん途絶えましたが、平成21年1月に初めて旧高野家住宅で披露されてから、今回で11回を数えるに至りました。
触れ太鼓が鳴り、主屋内で踊り始めた春駒はそのまま外に引き出され、仮の道祖神場までお囃子のなか移動します。道祖神場では再び春駒が舞われ、弁慶というお祝いの儀式もされるなど、大いに賑わいました。
旧高野家住宅に戻り、春駒・弁慶が行われたあと、主屋の中に春駒を引き入れて(納めて)、春駒の終演となりました。
■小正月行事「田野十二神楽」
1月13日(日)に大和町田野地区の小正月行事「田野十二神楽」(県指定無形民俗文化財)が行われました。
この神楽は今から360年ほど前の明暦年間から始まったと伝えられています。県内の神楽と比べても珍しい特徴を持つ民俗芸能で、「十二神楽」の呼び名は、神楽の舞が十二段(獅子舞・幣束の舞・汐汲みの舞・菱組の舞・剣の舞・姫の舞・鬼の舞・鍾馗の舞・介者の舞・種蒔の舞・笹の舞・翁の舞)にわたって構成されているところから名づけられています。
会場となった田野地区公民館には地域の方々が集まり、伝統ある小正月行事の民俗芸能を楽しまれました。「田野十二神楽」は平成5年に山梨県無形民俗文化財に指定され、田野十二神楽保存会によって守られ受け継がれています。
■小正月行事「藤木道祖神祭り太鼓乗り」
1月14日(月)に、甲州市を代表する道祖神祭りである「藤木道祖神祭太鼓乗り」(市指定無形民俗文化財)が、放光寺を会場に開催されました。
塩山藤木地区は、上・下・西の3地区に分かれており、道祖神祭りに合わせて3地区で集まり、お年始をする習わしでした。「往来(ゆきき)」と呼んでいましたが、その際一年間の出来事を面白おかしく披露する「ちゃり狂言」が行われ、いつしか狂言から歌舞伎に変わったものと考えられています。