8月17日（土）に国指定史跡甲斐金山遺跡のひとつである黒川金山遺跡の見学会を開催しました。遺跡のある地域は、今年６月に登録が決定した「甲武信ユネスコエコパーク」にも含まれています（緩衝地域）。ユネスコエコパーク（生物圏保存地域）は、生物多様性の保全、持続可能な開発、学術研究支援を目的として昭和51年（1976）にユネスコが開始した制度です。

　台風一過、晴天に恵まれ、午前９時から鶏冠山に向けて落合を出発。登り道で体を慣らしつつ登山。１１時過ぎには鶏冠山山頂の鶏冠神社（奥宮）に到着し、記念撮影をしました。

　ここから道は下り一方。「一字一石経」の塚がある寺屋敷尾根で昼食を取り、食後に文字のある経石の表面採集を行いました。何と書いてあるかは分かりませんでしたが、いくつか見つけた方もいたようです（※経石は遺物ですので、その場に戻してあります）。

　黒川谷へ向けてさらに山道を下り、近代の坑道（大正～昭和頃）から見学。遺跡の中心である黒川千軒地点では、人工的に造成された多数の平坦面（テラス）が良好に残っている様子や、道中に落ちている石臼等の石製品を見て、戦国時代に栄えた鉱山町の様子を実感された方もいたようです。

　また今回は山梨県立大学の輿水達司先生にもご参加いただきました。見学の折々には地質についてのお話を伺うことができ、非常に充実した見学会となりました。