記事番号: 1-3073
公開日 2021年11月05日
更新日 2022年02月09日
社会には男性、女性と明確にわけられるものだけでなく、多様な性のあり方が存在します。
「戸籍の性と心の性に違和感がある」「同性を好きになる」などです。
性別にとらわれることなく、多様な性を認めあい、個人が尊重されありのままに暮らせるような社会を目指していきましょう。
性を構成する4つの要素
性別は戸籍の「男」「女」だけではありません。
性のあり方には、大きくわけて4つの要素があります。
〇 こころの性 … 自分が認識する性(性自認)
〇 からだの性 … 生まれた時に染色体や内外性器の形状などから判断された性
〇 好きになる性 … 恋愛感情や性的な関心がどの性別に向いているか(性的指向)
〇 表現する性 … 言葉遣いやしぐさ、服装などどんなふうに周囲から見られたいか表現する性
これらの要素の組み合わせにより、多様な性があります。
そして、その要素の組み合わせや濃淡は個人で違います。
「男」「女」のようにはっきりわけられず、その中間だったり、決められないこともあります。
LGBTQ+とは?
様々な性のあり方の中で、少数の立場の人たちは「性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)」と呼ばれます。
LGBTQ+は、性的少数者を表す総称の一つです。
〇 L … レズビアン 同性を好きになる女性
〇 G … ゲイ 同性を好きになる男性
〇 B … バイセクシュアル 異性も同性も好きになる人
〇 T … トランスジェンダー 生まれたときに判断された身体の性と異なる性を自認する人(身体の性と心の性が異なる人)
〇 Q … クエスチョニング 自分の性的指向や性自認が明確でない人
〇 + … プラス 上記以外にもたくさんある、多様な性のあり方
これらの頭文字を取ってLGBTQ+とよばれます。
最後の「+」に表されるように、ここに挙げている以外にも多様な性のあり方があり、すべてをわけきることはできません。
性的少数者は、2020年の民間の調査では人口の約8.9%いるという結果が出ています。
自分の周りにはいない、という方の周囲にも「存在していない」のではなく「言えない」だけかもしれません。
SOGI(ソジ/ソギ)とは?
すべての人にかかわる概念として、SOGIがあります。
性の多様性のうち「Sexual Orientation(性的指向)」と「Gender Identity(性自認)」の頭文字です。
服装やしぐさなどの「Gender Expression(表現する性)」を合わせて、SOGIE(ソジイ)と言われることもあります。
人それぞれの性的指向や、自分の性を表す言葉であるため、性的少数者だけでなく、すべての人が含まれます。
性に関する問題を、他人事ではなく自分事としてとらえ、考えていきましょう。
カミングアウトとアウティング
自分が性的少数者であると、自らの意志で他者に伝えることをカミングアウトといいます。
カミングアウトは、信頼する人にしかできません。
友人や家族からカミングアウトされたら、その重みをよく考え、相手の思いを受け止めましょう。
また、いつ、誰に、どうやって伝えるのかは本人が決めることです。
周囲から強要したり、詮索したりしてはいけません。
性的指向や性自認について本人の同意なく第三者に伝えることは、本人の人権に関わる重大な侵害です。
こうした行為はアウティングと呼ばれます。
予期せぬアウティングは勇気を出してカミングアウトした気持ちを踏みにじるものです。
たとえ理解がある人であっても、本人の許可がなければ話さないようにしましょう。
Ally(アライ)とは?
Ally(アライ)は、性的少数者の当事者たちに、共感し、寄り添いたいと考え支援する人のことです。
アライになるためには、特別な活動をしたり、申請や宣言をしたりする必要はありません。
性的少数者の方が抱える困難に目を向け、配慮をしていくことが、アライとしてできることです。
自分は無関係だと思わず、いっしょに考えていくことから始めてみませんか。