記事番号: 1-3228
公開日 2022年02月02日
更新日 2022年02月06日
令和4年1月15日(土)に大和町田野地区のどんど焼きと小正月行事「田野十二神楽(県指定無形民俗文化財)」が行われました。小正月行事を中止とするところが多いなか、演目の一部を縮小し、一般非公開にて厳かに行われまた。
当日は祭り関係者や一般の方々が景徳院境内にある道祖神場(御霊屋)に集まり獅子舞を執行し、武田勝頼らの鎮魂を行った後、夕方の6時頃からどんど焼きが行われました。
■どんど焼き ■オコヤ
令和4年の田野十二神楽は縮小開催として、「十二神楽」あるうちの「獅子舞・姫の舞・鬼の舞・鐘馗の舞・介者の舞・種蒔の舞・翁の舞」の7演目が披露されました。
■獅子舞
姫の舞・鬼の舞・鐘馗の舞・介者の舞までは一連として披露されます。
■姫の舞
■鐘馗の舞
■介者の舞
■翁の舞
田野十二神楽は、今から360年ほど前の江戸時代前期から始まったと伝えられています。県内の他の神楽と比べても珍しい特徴をもつ民俗芸能で、「十二神楽」の呼び名は、神楽の舞が十二段(獅子舞・幣束の舞・汐汲みの舞・菱組の舞・剣の舞・姫の舞・鬼の舞・鐘馗の舞・介者の舞・種蒔の舞・笹の舞・翁の舞)にわたって構成されているところから名付けけられたものです。
現在、県の無形民俗文化財に指定されている里神楽(太々神楽)は5座を数えていますが、このうち4座は「出雲流」のものであるのに対し、田野十二神楽は唯一、伊勢神宮を起源とした「伊勢流」です。伊勢流の特徴は、一連の神楽を演ずる前、あるいは中間などに湯立神事が行われることと、舞の中に獅子舞や天狗の舞が登場することです。また、演目の中に2人の演者が相対してばくちや相撲のしぐさを演ずるなど、きわめて庶民性の強い内容があります。
武田勝頼と田野十二神楽
田野地区ではこの道祖神場を設置した寛政2年(1790)、この地で悲惨な最期を遂げた勝頼らの鎮魂のため十二神楽を舞います。段の神楽のうち、最初に演じられるのが獅子舞で、獅子は邪気を払い、祖霊を招く重要な役割を持つ神事舞であることから見ても、勝頼らの鎮魂に欠かせないものです。