記事番号: 1-4791
公開日 2025年01月31日
今年も市内各地で小正月行事が賑やかに行われました。無形民俗文化財指定を受けている3つの行事と重要伝統的建造物群保存地区「甲州市塩山下小田原上条(上条集落)のどんど焼きの開催状況についてご紹介します。
一之瀬高橋の春駒
令和7年1月11日(土)に、重要文化財旧高野家住宅(甘草屋敷)を会場に、「一之瀬高橋の春駒」(県指定無形民俗文化財が)行われました。
春駒は、塩山一之瀬高橋地区に伝承されてきた道祖神祭りの芸能で、駒と馬子(露払い)が一体となって舞われます。地区の過疎化により伝承活動がいったん途絶えましたが、平成21年1月から旧高野家住宅を会場に披露されています。
触れ太鼓が鳴り、主屋内で踊り始めた春駒はそのまま外に引き出され、仮の道祖神場までお囃子のなか移動し、再び春駒が舞われ、弁慶というお祝いの儀式もされるなど、大いに賑わいました。
■駒と馬子(露払い) ■弁慶
藤木道祖神祭り太鼓乗り
令和7年1月12日(日)に、甲州市を代表する道祖神祭りである「藤木道祖神祭太鼓乗り」(市指定無形民俗文化財)が、放光寺駐車場を会場に開催されました。
塩山藤木地区は、上・下・西の3地区に分かれており、道祖神祭りに合わせて3地区で集まり、お年始をする習わしでした。「往来(ゆきき)」と呼んでいましたが、その際一年間の出来事を面白おかしく披露する「ちゃり狂言」が行われ、いつしか狂言から歌舞伎に変わったものと考えられています。
今年は歌舞伎のひとつである「安達原三段目」が披露されました。
■安部貞任 役 ■八幡太郎義家 役
■安部宗任 役
田野十二神楽
令和7年1月18日(土)に大和町田野地区の小正月行事「田野十二神楽」(県指定無形民俗文化財)が行われました。
この神楽は今から360年ほど前の明暦年間から始まったと伝えられています。県内の神楽と比べても珍しい特徴を持つ民俗芸能で、「十二神楽」の呼び名は、神楽の舞が十二段(獅子舞・幣束の舞・汐汲みの舞・菱組の舞・剣の舞・姫の舞・鬼の舞・鍾馗の舞・介者の舞・種蒔の舞・笹の舞・翁の舞)にわたって構成されているところから名づけられています。
「田野十二神楽」は平成5年に山梨県無形民俗文化財に指定され、田野十二神楽保存会によって守られ受け継がれています。
今年は道祖神場にて、12の舞のうちの獅子舞のみ披露され、どんど焼きの炎を囲みながら家内安全や五穀豊穣を祈願しました。
■獅子舞
重要伝統的建造物群保存地区 甲州市塩山下小田原上条「オコヤかけ・どんど焼き」
令和7年1月4日(土)に上条集落の方々による道祖神の「オコヤかけ」が行われ、翌週の1月14日(火)に小正月行事の「どんど焼き」が賑やかに行われました。
オコヤは手際よく解体されたのち火にくべられ、その火で繭玉団子を焼いたり書初めを燃やしたりしながら、今年1年の無病息災を祈願しました。
■上条集落のどんど焼き
関連ページ
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