甲州弁って知ってるけ？甲州市的甲州弁講座

地域・自然・文化

某テレビ番組で「日本一汚い方言」と話題の甲州弁ですが、山梨県では当たり前のように甲州弁が飛び交っています。甲州弁を知り、使うことで、地域との距離感もグッと近づきます。
この記事では、日常的に使う甲州弁や、ちょっぴりディープな甲州弁をピックアップして紹介します。

そもそも甲州弁とは

甲州弁とは、山梨県独特の方言のことです。甲州弁は大きく2種類に分けられ、語尾に「ずら」や「で」、「ず」をつける国中弁と、「だんべ」や「べ」をつける郡内弁があります。甲州市では主に国中弁が使われています。
2014年に、山梨が舞台となったNHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」の放映と同時に、甲州弁が一躍脚光を浴びました。劇中では主人公の吉高由里子さんをはじめ、出演者が「こぴっと」や「てっ！」などの甲州弁を連発。その独特の表現や言い回しが面白いと話題になりました。また、バラエティ番組でも「クセの強い方言」や「日本一汚い方言」として、甲州弁の知名度が上がりました。

覚えておきたい甲州弁セレクション

独特の言い回しや表現がある甲州弁。ここからは、代表的な甲州弁をピックアップして紹介しましょう。日常的に使用している甲州弁や、知っていると地元の人に一目おかれるちょっぴりマニアックな甲州弁など、ぜひ覚えて使ってみてください。

語尾のクセがすごすぎる甲州弁

テレビなどのメディアで有名な甲州弁を集めてみました。

甲州弁	意味	使用例
～けし	～していきなさい	よってけし、食べてけし
～じゃん	～ですね	頑張るじゃん、ほうじゃん
～さよぉ	～ですよ	いいさよぉ、ほうさよぉ
～ずら	～でしょう	ほうずら、いいずらか？
～け？	～ですか？	いいけ？、ほうけ？
～ごいす	ございます	おはようごいす、ありがとごいす
～っつこん	～ということ	ほうだっつこん

有名すぎる甲州弁

甲州弁	意味	使用例・補足
てっ！	まぁ！（感嘆の言葉）	てっ！すごいじゃん！（まぁ！すごいね！）
～ん～	～に～	こっちんこうし（こっちにおいで）
だっちもねぇ	しょうもない	だっちもねぇこんいっちょし（しょうもないことを言うな） ※このタイトルのご当地ラップソングが山梨県内で流行ったことがある。
はんでめためたごっちょでごいす	代表的な甲州弁スラングの組み合わせで特に意味は無い。ご当地ヒーロー・甲州戦記サクライザーの決め台詞として使われている。

独特すぎる甲州弁

甲州弁独特の単語です。これを覚えたらもう甲州弁マスターです！

甲州弁	意味	使用例
ぶちゃる	捨てる	ゴミをぶちゃれし（ゴミを捨てなよ）
およっちょい	お寄りください	はんでおよっちょい（いつでもお寄りください）
けけとく	掛ける	この服けけとけし（この服掛けておいて）
ももっちい	くすぐったい	足がももっちいじゃん（足がくすぐったいよ）
しにる	青あざができる	腕がしにってる（腕に青あざができている）
よたい	ボロボロの	よたい自転車（ボロい自転者）
ぼこ	子ども	ぼこにやれし（子どもにあげてください）
いっさら	まったく、全然	いっさら帰ってこん（ちっとも帰ってきません）

本来の意味と違いすぎる甲州弁

本来の意味とは大きく異なる甲州弁独特の言い回しで、初めて聞く人は混乱するそう。同じ日本語でも、甲州弁独特の意味を持っています。

甲州弁	意味	使用例・補足
とぶ	走る	とんでこうし（走って来て）
えらい	大変な、疲れる	とぶのえらい（走るの疲れる）
こわい	固い	こわい煎餅じゃん（固い煎餅だね）
かじる	掻（か）く	背中かじって（背中掻いて）

甲州弁が理解できると暮らしがより楽しくなる！

甲州弁は、初めて聞く人にとってはぶっきらぼうな言葉だと感じるかもしれません。しかし、意味を知ると、面白くて、どこかあたたかみのある方言です。また、会話の中で甲州弁を使うと、地域になじみやすく、日常会話がさらに弾むことでしょう。他にも面白い甲州弁がたくさんあるので、ぜひ日頃から意識して甲州弁を覚えて使ってみましょう！