好きを仕事に変えた甲州市
定住型 農業
Q.山梨県に移住するきっかけは?
A.桃と言えば、「山梨」が思い浮かんで
浩也さん:一家を支える大黒柱として、食品会社に18年間勤めていましたが、心の中では"職人"に憧れていました。憧れだけでは終わらず「桃が大好きだ」という理由から、農業という"職人業"に挑みたいと思い始めましたね。
そこで、桃と言えば、山梨がすぐ頭に思い浮かびました。山梨だったら何かあればすぐに実家に戻れる距離だなと考え、農業のための移住地候補にあがりました。
また、農業には栽培技術習得や、農業という職が自分に向いているのか見極める時間が必要になると考え、山梨県立農業大学校の週末農業塾に半年通いました。半年の間に経験を重ね、その後入学。より一層の技術習得を図りました。
Q.甲州市に移住を決めた理由は?
A.甲州市の手厚い支援制度が決め手
浩也さん:峡東三市(甲州市、笛吹市、山梨市)が合同開催した移住相談会が、ひとつの決め手となりました。甲州市の担当者の方が、移住や農業について親身になって丁寧に説明してくれて、熱量を感じました。それで甲州市が移住先として第一候補に。
その後、甲州市の就農体験制度『ワーキングホリデー』や移住支援制度『お試し移住宅』を活用し、甲州市で働くこと、暮らすことについて具体的なイメージを膨らませました。
Q.実際に農業を始めてみてどうでしたか?
A.農業の教科書は「コミュニケーション」!
甲州市に移住後、ワーキングホリデーでの農家さんとの出会いから、甲州市塩山の大藤地区の桃農家を中心としたネットワークである"下栗生野(しもあおの)ピーチ会"に加入することになった増田さん。
浩也さん:「桃農家を始めたい」という思いをピーチ会に伝えたところ、タイミングよく会員さんの畑を半分貸していただけることになり、また、農業大学校時代の仲間の紹介で家族と暮らしていく家も見つかりました。動力噴霧器も使わなくなった方から譲り受け、農業機械を新しく購入することはあまりありませんでした。
桃を育てて出荷するところまで、全ての過程を自分でできる農業の楽しさを感じながらも、苦労も多くあったそうです。増田さんが栽培している桃は11種類。種類ごとに栽培方法も異なります。
浩也さん:桃の栽培は適宜作業が必要ですが、そのタイミングが若干早かったり、遅かったり等、まだまだ経験が必要だと感じます。また、桃が病気になってしまったときは「どうして?」と悩むときがあります。そんな時、ピーチ会の先輩農家さんに聞いてみると、対処の仕方を丁寧に教えてくださいます。どんな本にも書かれていない、長い経験の中で培われた技をいつも間近で吸収させていただいています。
Q.これからの目標を教えて下さい。
A.農業でしっかり生活していけるように、また、はねだし(規格外)桃を使った加工品にも力を入れていきたいと考えています。
浩也さん:たくさんの人に支えていただいたおかげで、桃農家になれました。お世話になっているみなさんに感謝を伝えたいので、まずは農業でしっかり生活していけるようになりたいです。
収穫時には味は良いけど形が悪かったり、傷が入ってしまったはねだし桃も出てしまいます。そのため、はねだし桃を使った加工品にも今後力を入れていきたいと考えています。周りの人がやらないようなことをやりたくて、桃の品種別のジュースやスムージーを作って、飲み比べができたら面白そうだ、なんて考えています。
Q.都会から田舎へ移住して感じていることを教えて下さい。
浩也さん:大好きな桃をたくさん食べられるのが嬉しいです。自分で育てた桃やご近所さんから頂いた桃、都会ではなかなか食べられない硬い桃を食べられるのも嬉しい限りです。
あえて残念なことをあげるとすれば、農作業する際にラジオを聞いているのですが、都会に比べると選択肢が少ないことですね。関東圏局のラジオが聞きたいです。
志保さん:桃とぶどう畑を見渡せる展望が素敵で、初めて見たときの感動は今でも忘れません。あとは、子どもたちが自然と触れ合う機会も増えました。
ある日、子どもが保育園で稲刈りや脱穀を経験してきた時に、家に帰ってきてから学んだことを教えてくれました。自然豊かな場所なので、活発でのびのびした子に育ってくれたら嬉しいです。
憧れだった"職人"として、日々農業と向き合う増田さん一家。ぜひ、あなたも心の中にある「憧れ」を、甲州市で実現してみませんか?
プロフィール
増田浩也さん・志保さん
移住前:神奈川県
移住エリア:勝沼
桃農家になりたくて甲州市へ。ワーキングホリデーやお試し住宅などを通じて家族5人で転入。現在は夫婦ともに憧れだった桃農家に。